大滝飛行場

白老町の最高峰「ホロホロ山」(標高1322.3m)は、胆振(いぶり)エリア全体でも最も高い山です。白老滑空場からもよく見える、この山のちょうど反対側に「大滝飛行場」があります。今回はその話題を…

位置

飛行場と言っても、白老滑空場と同じく「場外離着陸場」ですから、航空法第79条ただし書(空港等以外の場所における離着陸)の許可を得て離着陸が可能となる場所です。Googleマップでは滑走路と格納庫がよく分かります。標高約500メートルの山のすそ野に、滑走路(未舗装の草地)を造ったようですね。個人の所有なので市では把握していないとのこと。現在は使われていないようにお見受けしました。

↑ 南西側の丘の上から。こちらからの進入は地形や障害物とのクリアランスが気になりそう。

↑ 滑走路脇の道から。

↑ 他にいくつか基礎は残っていますが、現存の建物はこれだけ。

↑ 南東方向の山をちょうどヘリコプターが通過中。

事故

大滝飛行場では、28年前の1989年7月に航空事故がありました。パイパー28(JA3755)が着陸する際にオーバーシュートしてはみ出し、大破したとのこと。詳しくは 事故調査報告書 をご覧下さい。

この報告書によれば、滑走路の長さは420メートルで幅が20メートル、60メートルの過走帯があるようです。Googleマップ上で計測すると、着陸帯の長辺は最大約580メートル、幅は狭いところでも約50メートルあります。南西側の進入区域には丘があり、滑走路より10メートル以上高いため、勾配20分の1の進入表面を確保できるのか気になります。(前掲の写真A参照)

報告書では飛行場の標高が1,470フィート(約450メートル)とされていますが、地図の等高線から見て、おそらく標高約490メートル(約1,610フィート)ほどでしょう。この標高は、日本でいちばん高地にある松本空港(2157ft, 658m)に次ぐ高さになります。また、報告書には滑走路方位が書かれていませんが、地図と地磁気偏差から「04/22」になると思います。

パイパー機

事故機JA3755はどうなったんでしょう? ネット情報によれば、事故の年の11月に抹消登録され、そののち和歌山県の本屋さんの看板になったようです(こちらの一番下)。右主翼や前脚にダメージが見受けられますが、事故で「大破」した状態なんでしょうか?。展示前に少しは修理したのかもしれませんね。

製造から14年で総飛行時間わずか3,000時間の機体、もったいないし、少しかわいそうな最後だったようです。

大滝

以前は「有珠郡大滝村」でしたが、平成18(2006)年に隣接していない伊達市と合併し、壮瞥町を間に挟む飛び地の「伊達市大滝区」となっています。

三階滝があることからこの地名になったそうで、紅葉の時期になるとニュースでも話題になる名所です。暑い季節には涼を求めて、いかがですか?

コメント

  1. イカゴロ より:

    JA3755は、以前勤務していた事業会社が米国パイパー社から輸入し、管理していました。調布時代、訓練機の殆どはチェロキーでしたが、このウォリアはその中でも当時としては新しい機体として目新しさがありました。調布から丘珠まで空輸する時に訓練を兼ねて同乗したこともあり、自分としては憧れの機体でした。
    チェロキーとは異なり、ウォリアはテーパー翼なので沈みが緩やかな特性があります。また、チェロキーの場合、フラップを下げると機体はドラックが効いて前のめりに降下姿勢になりますが、ウォリアの場合は逆に若干機首上げで浮き上がる特性があります。同じパイパーPA28なのですが、主翼の形状でその飛行特性が大きく違っていました。
    この大滝での事故も想像ですが恐らく、フラップ下げでの揚力増加姿勢や緩やかな沈みの対処の仕方に不安を残したまま、不慣れな状態で狭いRWYで黙々と一人でトレーニングしていた結果のような気がします。事故調を見る限り、スレッショルドで高度が高いと判断し機種下げ操作をしているようなので、速度が増した分、テーパー翼の効果が出て地面効果とともに、そのグライド距離が伸びたのだと思います。
    ただ、信じられない地点にイニシャル接地しているので、通常のゴーアラウンド訓練もあまり時間をさいて取り組んでいなかったのかもしれません。ゴーアラウンドの決断の迅速さや手順を怠った事故の事例は、最近特に多く発生しています。小型機の場合、日頃からゴーアラウンドの意識はキチンと持っていた方がベターかもしれません。

    • やぶ悟空 より:

      縁のある機体だったんですね。フラップのアップ/ダウンでピッチ姿勢がどちらに変化するかは機体によって異なる、という話は聞いたことがあります。翼型によっても特性が変わるとのこと、体感してみたいです。

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